2026/8/12(水)「創作活動は、仕事に役立つのか?」
「暇だから、何か作った」。結論から申しますと、それも就労訓練として意義があります。
さらに突っ込んで言うと、作っている過程で、気づきがあったらぜひメモに取ってほしいです。
創作活動で、発見できること、意外に沢山ありますよ。
創作活動:自分の働き方を知る
「就労移行支援で、どうして工作や絵をやるんだろう?」
これから就労移行支援の利用を考えている方の中には、そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。
就職するためなら、パソコンの練習や履歴書の書き方、面接練習などをしたほうがいいのでは?
もちろん、それらも大切な訓練です。
でも、創作活動にも、就職につながる大切な意味があります。
今回は、就労移行支援で行われている創作活動について紹介します。
作品を作るだけが目的ではありません
写真にあるのは、利用者の方が制作した作品です。
小さなブロックを一つずつ組み立てた作品。
細かな木製パーツから作った楽器や自動車などの模型。
建物を描いた絵。
小さなパーツを一つずつ並べて完成させたアート作品。
どれも素敵な作品ですが、就労移行支援という視点から見ると、注目したいのは完成した作品だけではありません。
大切なのは、
「完成するまでに、その人がどう取り組んだのか」
という部分です。
創作活動には、仕事にもつながる動作がたくさんあります
たとえば、木製模型を作るとしましょう。
説明書を確認する。
必要な部品を探す。
順番を考える。
細かな部品を組み立てる。
間違えたら、どこが違うのか確認する。
そして、最後まで作り上げる。
実はこれ、仕事にも通じるところがあります。
仕事でも、
指示を確認する → 作業する → 確認する → 間違いがあれば修正する → 完了する
という流れは珍しくありません。
創作活動を通して、集中力や手先の器用さだけでなく、手順を理解する力、正確に進める力、間違いに気づく力、最後まで取り組む力などを試すことができます。
「できなかった」ことにも意味があります
就労移行支援で大切なのは、作品を上手に作ることではありません。
途中でうまくいかなくても、それ自体が自分を知るための材料になります。
たとえば、
「細かい作業は好きだけれど、30分を過ぎると集中できなくなる」
「口頭で説明されるより、説明書を見たほうが分かりやすい」
「一度にたくさん説明されると混乱する」
「見本があれば、一人でも作業を進められる」
「分からないところを質問するのが苦手だった」
こんなことが分かるかもしれません。
これは単なる工作の感想ではありません。
自分が働くためのヒントです。
30分程度で集中力が落ちるのであれば、休憩の取り方を考える。
口頭指示が苦手なら、メモを取ったり、マニュアルを用意してもらったりする。
見本があると理解しやすいなら、それを自分の得意な情報の受け取り方として知っておく。
「何ができないか」だけではなく、
「どうすれば自分はできるのか」
を探すことが大切です。
完成することで得られるものもあります
最初は、何もありません。
そこから一つ部品を付ける。
また一つ付ける。
途中で失敗することもある。
直して、また続きを作る。
そうして少しずつ形になり、最後には一つの作品が完成します。
「自分でここまで作った」
完成した作品を見ることで、そんな達成感を味わえることがあります。
就職活動では、なかなか結果が出なかったり、自分に自信が持てなくなったりすることもあるでしょう。
そんなとき、小さな「できた」を積み重ねられる活動があることにも意味があります。
普段の生活にもつながっています
創作活動で使う力は、仕事だけに必要なものではありません。
料理なら、レシピを確認して、材料を準備し、順番に調理して完成させます。
掃除なら、どこから始めるか考え、必要な道具を準備し、一つずつ片づけていきます。
買い物や旅行の準備、書類の手続きなども同じです。
計画する → 実行する → 確認する → 修正する → 終わらせる。
創作活動で経験するこの流れは、日常生活のいろいろな場面にもつながっています。
「楽しい!」から趣味につながってもいい
そして、もう一つ忘れたくないことがあります。
創作活動は、
楽しくてもいいんです。
「ブロックを組み立てるのが面白かった」
「絵を描いていたら、あっという間に時間が過ぎた」
「模型をもっと作ってみたい」
そんな発見があれば、事業所だけで終わらせる必要はありません。
自宅でも続けてみる。
最初は短時間で完成する作品から始めて、慣れてきたら少し難しい作品に挑戦する。
完成した作品を部屋に飾ったり、写真を撮ったり、家族や友人に見せたりするのもいいでしょう。
就職することだけが生活ではありません。
自分が楽しめるものを見つけることも、これから生活していくための大切な一歩です。
創作活動から「自分の働き方」を見つける
就労移行支援というと、
「就職するための訓練をする場所」
というイメージが強いかもしれません。
でも、その前に知っておきたいことがあります。
自分は何が得意なのか。
何が苦手なのか。
どれくらい集中できるのか。
どんな説明なら理解しやすいのか。
疲れたときには、どうすればいいのか。
そして、
どういう工夫があれば、自分は働けるのか。
創作活動は、それを知るきっかけの一つになります。
完成した作品だけを見るのではなく、ぜひ「自分はどうやってこれを完成させたんだろう?」と振り返ってみてください。
そこには、これから働く自分を知るためのヒントが隠れているかもしれません。


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